
「私立も無償になるって本当?」「うちは対象なの?」
こんな疑問にお答え!
- 高校無償化って全額タダ?
- 私立も無償化になるなら、私立高校に行った方がお得じゃないの?
- 綺麗で設備も充実した、私立高校に通う学生まで無償化するなんてズルい?
\ 答えだけを知りたい方は記事の最後の「FP的疑問の答え」へ/
高校進学を控える家庭にとって、“授業料”の負担は大きな関心事。
この記事ではFP(ファイナンシャル・プランナー)が、2026年から拡充される(予定)高校無償化制度について、やさしく解説します。
※現在のところ一部審議中です。
高校無償化とは?正式名称は「高等学校等就学支援金制度」
高校無償化とは、国が授業料の一部または全額を支援する制度です。
正式名称は「高等学校等就学支援金制度」といい、2010年からスタートしました。
対象となる学校
- 公立高校(全日制・定時制・通信制)
- 私立高校
- 高等専門学校(3年次以降)
- 専修学校(高等課程)など
【現行制度】所得によって支援額が変わる
2025年度までは、世帯の収入に応じて支援額が変動します。
支援額の目安(2025年まで)
年収の目安 | 私立高校 | 公立高校 |
---|---|---|
約590万円未満 | 最大396,000円 | 118,800円 |
約910万円未満 | 118,800円 | 118,800円 |
約910万円以上 | 支援なし | 支援なし |
※住民税所得割額によって判断されます

【重要】2026年度からは「所得制限」が撤廃予定!
文部科学省は、2026年度から「所得制限を撤廃する方針」を発表しています。
これにより…
- 年収に関係なく授業料の支援が受けられる
- 私立高校も選びやすくなる
- 教育格差の是正が一歩進む
※正式な制度詳細は、今後の公表を待ちましょう。
引用:
文部科学省:高等学校等就学支援金制度
NHK:高校無償化 所得制限撤廃へ
高校3年間でどのくらい費用がかかるの?
授業料が無償になっても、教材費・制服・行事費などの“実費”は別途かかります。
教育費の平均(高校3年間)
区分 | 授業料(補助後) | その他費用 | 合計 |
---|---|---|---|
公立高校 | 0円 | 約162万円 | 約162万円 |
私立高校 | 〜396,000円 | 約237〜270万円 | 約237〜270万円 |
出典:文部科学省「令和3年度 子どもの学習費調査」
これは補助後の金額です。私立高校は毎年約40万円ほどの補助が出るとはいえ、私立と公立の平均教育費を比較すると3年間で100万円ほどの差がつきます。これを高いと思いますか、安いと思いますか?

私立高校、高校入学枠は少ない?
実は、私立高校の多くは中高一貫校です。
高校からの入学枠は以下のような特徴があります:
- 内部進学がメインのため、外部募集枠は少なめ
- 人気校は倍率が高くなりがち
- 一般入試での学力も求められる
→「無償化で私立もありかも」と思っても、実際に枠があるかどうかの確認が大切です。
希望する私立に行くためには、中学から入っていないと難しい‥ということも。
また伝統的な女子校は高校入学枠がなくなりつつあるという噂も。
公立と私立、それぞれの特徴と選び方
比較項目 | 公立高校 | 私立高校 |
---|---|---|
費用 | 安め | 高め(補助あり) |
カリキュラム | 標準型 | 独自性・柔軟性あり |
通学圏 | 原則、学区内 | 学区にとらわれない |
教育方針 | 安定・平均的 | 手厚く、進学重視の学校も |
FPからのまとめ:制度を知ることで「選択肢」が広がる
高校無償化は、“教育費がタダになる制度”ではありません。
でも、家計への負担を軽くし、進路の選択肢を広げる制度です。
- 子どもの適性
- 家計の見通し
- 将来の大学進学や老後資金とのバランス
これらを冷静に見ながら、自分たちに合った進路選択をしていきましょう。
FP的疑問への答え
高校無償化って、全額タダになるの?
→ 「“無償化”と聞くと、すべて無料になるイメージがありますよね。でも実際は、授業料のみが対象で、制服代や教材費、修学旅行などの費用は自費負担です。つまり、“完全無料”ではありません。」
私立も無償化になるなら、公立より私立の方が得なの?
→ 「そう感じるのも無理はありません。私立のほうが支援額が多い場合もありますから。でもこれは、もともとの授業料が高いため、それを補うための仕組み。実際には、私立のほうがトータルコストは高くなるケースが多く、“得”とは限りません。」
高校無償化って、全額タダになるの?
→ 「“無償化”と聞くと、すべて無料になるイメージがありますよね。でも実際は、授業料のみが対象で、制服代や教材費、修学旅行などの費用は自費負担です。つまり、“完全無料”ではありません。」